生活や業務の中でどれだけ気をつけていても、毎日のように廃棄物は発生してしまいます。それに、最終処分場を一度設けたからといって、永久的に同じ施設を使用できるわけではありません。
では、2015年度に発表された最終処分場の平均残余年数を見てみましょう。国内全国の平均残余年数はおよそ13年ほどです。しかしながら、処分場不足が問題になっている首都圏では、6年ほどと全国平均の半分になっています。
さらに、日本の都市部では世界各地の中でも廃棄物の発生量が特に多いので、その分、再利用や再資源化が不可能な廃棄物が増えてしまいがちなことも、深刻な問題になっています。
そのような原因もあり、最終処分場による廃棄物の処理が増えていってしまいます。また、埋め立て地に使用された土地の処理能力にも限界があります。
十分な管理を行っていたとしても、周辺環境への影響を考えると、いつまでも同じ場所に廃棄物を投棄するということは不可能になります。
そのため、決められた量の廃棄物が埋め立て処理された最終処分場は、無害化するまでの管理を徹底的に行った上で廃止にしなくてはなりません。
そして、違う場所に新しく最終処分場を設置するにしても、周辺環境に人家がないことや農産物の生産が行われていないなど、設置に適した様々な条件を満たす必要があります。
また、不適切な処分による害虫や悪臭の発生、焼却処分によるダイオキシン類の環境ホルモンの発生など、廃棄物の処分に関するトラブルが、過去にいくつも社会問題になっています。
そのため、もし処理場の設置条件に合う土地が見つかったとしても、地下水や土壌の汚染といった周辺環境への影響に対して不安を持つ近隣住民から、設置に反対する声が上がるなど、処理場の場所をめぐるトラブルがいつの時代も絶えません。
このような状況があるため、使えなくなった古い施設の代わりとなる、新しい処理場の設置が困難であることが事実です。