産業廃棄物の処分には最終処理と中間処理が存在しますが、どちらも廃棄物の処理に関わるもので、どんな違いがあるのか知らない人は多いでしょう。
最終処理と中間処理の違いは何か、処分に関する法律と絡めてご紹介します。
井草実業などが行う最終処理と、中間処理の違いとは
最終処理は運搬されてきた産業廃棄物を埋め立てで処理するものです。一方、中間処理は埋め立てを行う前に、産業廃棄物を分別したり、焼却や破砕などで減量・減容化させたりして、最終処理の前に行われる処分になります。2つの違いは廃棄物の減量や減容を目的にした処分なのか、最終的に処分するための処理なのかということです。産業廃棄物は一般廃棄物よりも排出量が多く、大きな廃棄物も多いので最終処理場の容量を圧迫しかねません。
しかし、中間処理をすることで最終処理する分を50%程に抑えることができ、効率よく最終処分をすることができます。ただ、産業廃棄物によってはリサイクルコストが無駄にかかるものもあるので、その場合は中間処理をせずに最終処理されます。
産業廃棄物に関する法律について
法第14条第6項目によると、産業廃棄物の処分を業として行う場合、行う区域を管轄する都道府県知事の許可が必要とあります。この項目では最終処理と中間処理については触れられておらず、あくまでも処分をする場合に許可が必要であることを示しているだけです。施行規則第10条の4第2項目では、処分方法に関する次の事柄を許可申請書類に記載するようにとあります。
・事業として供する施設の種類、数量、設置場所、設置する年月日、処理能力
・事業として供する施設の処理王式、構造や設備の概要
・埋め立て処分や海洋投入処分を除き、産業廃棄物処分を業とする場合、処分後の廃棄物処理法が記載された書類
最初の2項目はどんな処分方法か分かるもので、3つ目の項目は中間処理を事業にする場合、残渣したものの処分方法を記載するように求めていることが分かります。ただ、この条文だけでは許可の種類については明確ではなく、処分業という事業に対して許可が出されるという内容であり、処理方法はその中で規定されるということになるようです。法第12条第3項目では、最終処理が終わるまでの一連の処理工程の中途を産業廃棄物の処理を行う者とみなしており、中間処理が埋め立てや海洋投入、リサイクルをする前に行う処分と示しています。
ただ、再生は処分後のモノに対する価値の有無を示す概念で、処分方法の概念ではありません。なので、各処理方法の許可証を確認できても、出てきたものがリサイクル品になるか、廃棄物なのかは許可証だけでは判断できないと言えます。なので、処分の結果が再生であれば、それは中間処理であったとしても契約やマニフェストも最終処分の扱いとなるでしょう。
最終処理と中間処理は処分方法や目的に違いがあります。ただ法的な観点からみれば、中間処理業と許可証に記載されていても、埋め立てなどを行う最終処分場を保有していないことだけを示しているだけとも考えられます。
なので、処分の結果に応じては最終処理と違いはなく同一とみなされる可能性もあるでしょう。