最終処分場は再利用や再資源化ができないとされている、ごみや不用品などの廃棄物を埋め立てて処分するための場所や施設などのことを表わします。
これらの施設では、廃棄物の減容化や無害化、安定化などの処理がおこわなれます。
その中でも廃棄物処理の最終的な目的とされている安定化作業をスムーズに進めるために、焼却を行っている中間処理も実施されます。廃棄物の処理方法は世界の地域ごとによってそれぞれ異なっています。
日本では投棄型埋立と準好気性埋立ての2種類があります。投棄型埋立ては昔から利用されているごみ処理方法で、地下水などの周辺環境に影響を与える心配の少ない土地を選んで穴を掘り、廃棄物を埋めた後、重機を利用して地中に埋める方法です。
準好気性埋立ては埋立地内の水分の排水処理や、発生したガスを濃度の薄い状態で大気中に放出させるという構造をもうつ設備で、廃棄物を処理します。日本の最終処分場には、この埋め立て方法がよく採用されているといわれています。
日本の国民1人当たりのごみ排出量は世界の中でも多く、中間処理施設や最終処分場の不足問題が心配されています。また、廃棄物処理法改正の影響で、適切な条件を満たした施設が減少しているなどの問題もあります。処分された廃棄物の無害化には十数年から百年という長い時間が必要となる上に、無害化が終了するまではその土地自体使用できなくなります。
このような状況が続くことで、再利用や再資源化が必要な廃棄物処理ができないということになってしまうのです。
処分場設備による適切な処理作業ができないことで、廃棄物の不法投棄なども増えたり、適切でない焼却処分の増加も懸念されるのです。不法投棄された廃棄物に有害物質が含まれている場合、その物質が土壌や地下水などを汚染して、自然環境に悪影響を及ぼすのです。そして、それによって、生きていく上で必要不可欠な水や食の安全自体が脅かされてしまうことになります。不適切に焼却処分されてしまった場合、処理時に発生した煙や粉塵などに含有されている二酸化炭素やダイオキシン類は広範囲にわたって拡散されるのです。
二酸化炭素は地球温暖化の原因物質です。廃棄物を増やすことで、地球温暖化が進行するのです。世界中で環境問題とそのリスクについての啓発活動が行われています。これ以上地球を住みにくい場所にしないために、どうすることが大切なのかを一人一人が真剣に考える時代になっているのです。